真綿布団ってどうやって使えばいいの?いつ使う?
高そうだけどどんなメリットやデメリットがあるんだろう?
この記事ではこんな疑問にお答えします。
睡眠環境・寝具指導士で寝具業界の営業のしーさん(@lipton0507)が解説します。
真綿(シルク)布団って聞いたことはあっても具体的にどんなお布団かって知らない人が多いですよね?
実際、認知度でも約35%の人しか真綿(シルク)布団を知りません。
今まではかなり高級品でそこまで普及していなかったからという理由かもしれません。
ところが最近では中国などの海外の品質も上がってきていて、値段もお手頃になってきているので取り扱うお店も増えてきています。
ただ、真綿(シルク)布団って言われてもどんなメリットがあってどんなデメリットがあるかわからないとイマイチ買う気にもなれない・・・
そこでこの記事では真綿(シルク)布団の特徴や取り扱い方法、どういった使い方がおすすめなのか解説します。
夏場はダウンケットで寝ている人も多いですが、今後は真綿(シルク)の肌掛け布団で寝る人も増えてくるかもしれませんよ。
とくにお肌にいい素材なので女性にはおすすめです。
それでは解説していきます。
真綿(シルク)布団とは?
前提として、厳密に言うと真綿とシルクって違うのですが、性質や特徴は同じなのでこの記事では同じものとして解説していきます。
真綿(シルク)布団といってもいろいろと種類があります。
生地もシルクを使っているものもあれば、中綿だけ真綿を入れて生地は綿素材を使っているものもあります。
ちなみに真綿布団といえば中綿に真綿を使っているお布団のことを言います。
真綿(シルク)とは蚕の繭をわた状のシートのように引き延ばして作られています。
木綿も「わた」と言われていますが、差別化するために「真綿」と呼ばれています。
原材料は蚕の繭は下の画像を参考にしてください。
これを手で職人さんが1枚ずつ引き伸ばして『袋真綿』『角真綿』と呼ばれるシート状にしていきます。
シート状にしたものを寝具では中綿に使っています。
他にもこの繭を糸に紡績して生糸を作りシルクの生地になったりします。
元々はかなり高級品で、今でも国産の真綿の商品については高額で販売されています。
製造工程にも興味があるって人は近江真綿布団専門店のページを参考にしてもらうとわかりやすいですよ。
国産の手引き真綿の製造工程について詳しく画像つきで解説してくれています。
せっかくなので国産の真綿布団の産地で有名ところを簡単に紹介しておきます。
- 福島 入金真綿
- 滋賀 近江真綿
国産の真綿布団を検討するならこの2つは押さえておいた方がいいですね。
ちなみに入金真綿のお布団は職人さん2人で1日に2枚しか生産できませんし、近江真綿も年間数百枚程度しか生産できません。
どちらも歴史もあって昔ながらの伝統製法で1枚1枚手作りをされている高品質の真綿布団の産地です。
とはいえ国産のものだと20~50万円ぐらいする超高級品です。
中には100万円もするものもあったり・・・
さすがになかなか手がでませんよね。
これが今まであまり普及しなかった理由のひとつです。
他にも普及しなかった理由としては手引きができる職人さんの数が年々減ってきていて生産数量が上がりません。
欲しい人がいてもなかなか数が出来ないので、これも普及してこなかった理由ですね。
ところが最近中国などの海外製のものが安く日本に輸入されるようになってきたので、ローカルのTVショッピングなどでも取り上げられるようになってきたり、ネット通販でも取り扱いされるようになってきていて少しずつ普及し始めています。
ただし、この海外製の真綿布団の場合、日本の手引き真綿と違い機械で生産するので品質としては日本製のものよりだいぶ落ちます。
生地もポリエステルを使っていたりするのでちょっとどうかとは思いますけどね。
見た目の厚みもだいぶ違いますし。
中国などの海外から真綿(手引きや機械引き)を輸入してきて日本で製品化しているものについては品質も上がってきていて、お値段も現実的に手の届く価格帯になってきています。
純中国製のものをおすすめはしませんが、日本製のものだと品質も上がってきていてるので初めての真綿布団という意味ではおすすめです。
次からは真綿布団のメリットとデメリットについて解説していきます。
真綿布団のメリットとデメリットについて
国産の手引き真綿の布団だと超高価な布団だし、中国から原料を仕入れて国内で生産している場合でも安い布団ではない真綿布団ですが具体的にどんなメリットとデメリットがあるのか気になりますよね。
高いものだし値段に見合うメリットはあるの?と知りたいハズ。
真綿布団のメリットとデメリットについて解説していきます。
まずは下にまとめてます。
- 吸湿発散性が高い
- 保温性が高い
- 保湿性が高い
- 肌に優しい
- 静電気が起こりにくい
- 燃えにくく難燃性が高い
- フィット性が抜群に高い
- 基本的に洗えない
- 打ち直しができない
- 天日干しができない
- 寿命は5年が目安
- 値段が高い
布団の中でもメリットはかなり多いですが、デメリットもあります。
ここからは補足して解説していきます。
まずはデメリットですが、基本的に洗うことはできないと思っておいた方がいいです。
家庭ではまず洗えませんし、クリーニングに出すとしてもドライクリーニングがギリギリできるかどうかといった感じです。
これは商品によって変わるので洗濯絵表示を見るか買ったお店に聞くといいですよ。
打ち直しができないと書いていますが、真綿布団の場合は引き直しですね。
簡単に説明すると作り直しです。
羽毛布団や綿ふとんでは打ち直しが出来て仕立て直すことができたりするのですが、真綿布団の場合はできるところも限られていますし、非常に金額も高いです。
どうしてもとこだわりがある人以外は買い替える方がコスパもいいと思います。
真綿布団は紫外線に弱いので天日干しができません。
これはお手入れ方法にも関わる部分なので、あとで詳しく解説します。
あとはここが最大のデメリットかなと思う部分ですが、5年程度が寿命です。
これは中綿の真綿がちぎれてきたりふくらみがなくなってきたり、使い方による部分も多いのであくまで目安ですがダメになることが多いです。
それでいて値段が安くはないので、ここは人によっては考えどころかなと思います。
次からはメリットの部分を解説していきます。
吸湿発散性の部分ですが、綿の1.5倍吸湿性に優れていて湿気を吸収しやすく、発散するのも綿が60分で発散する水分量を40分で発散するぐらい早いので、ムレにくいです。
寝ている間にコップ一杯の汗をかくというのは聞いたことがある人も多いでしょう。
夜中にムレて気持ち悪い、不快になって目が覚めるということが少なくなります。
保湿性についてシルクは天然の保湿成分の『セリシン』で覆われていて肌への吸着性が高く、お肌を乾燥や乾きから守り、うるおいを保ってくれます。
他にも真綿には人の素肌と同じタンパク質成分の『フィブロイン』が含まれており美肌効果がありますし、皮膚が敏感な人弱い人にもおすすめです。
保湿性が高いので静電気も発生しにくく、ハウスダストなどのホコリを寄せ付けにくいというのも大きなメリットですね。
また真綿布団で使われているシルクは300℃以上でないと燃えにくいですし、溶けたりもしにくいので非常に燃えにくい素材ですね。
最後にフィット性が抜群に高いのも特徴です。
掛け布団で使う場合はほぼ最高クラスにフィットしやすいです。
このフィット性が高いと寝ている時や寝返りをうった時にお布団と体の間に隙間ができにくくあたたかい空気を外に逃がしません。
次の使い方のところでも説明しますが、この部分はたいしたことなさそうに見えて意外と大きなメリットになってきます。
感触としても「ふわとろ」って感じで触っていても気持ちいいですよ。
こんな感じでメリットとデメリットを解説しました。
デメリットはコストパフォーマンスの要素が強くて、メリットに関しては抜群の機能性といったところでしょうか。
デメリットに関しても中綿の真綿を海外から輸入してきて日本で生産しているものであれば、かなりコストパフォーマンスは改善できるので問題ないかなと思います。
さすがに国産の手引き真綿はなかなか手が出せませんしね。
とはいえ、これだけ機能性のあるお布団はないので個人的にはかなりおすすめです。
真綿の肌掛け布団を1枚持っているだけで、使い勝手がいいですよ。
なぜ肌掛け布団なのかはこのあと解説します。
具体的にどんな人ににおすすめかは次で解説します。
真綿布団はこんな人におすすめ!
真綿布団のメリットやデメリットはわかったけど、具体的にどんな人におすすめなの?と思いますよね。
真綿布団はこんな人におすすめというのを下にまとめました。
- 梅雨や夏場ムレて寝付きが悪い人
- 夏場のダウンケットでは寒いと感じる人
- ダウンケットではカシャカシャと音が気になる人
- 冬場に布団の隙間から寒い思いをしている人
- 冬場に羽毛布団だけでは寒い人
おすすめ!
こんな人に真綿布団はおすすめです。
少し補足して解説しておくと真綿の掛け布団を中綿の量が大きくわけると3タイプあります。
- 0.5㎏入りの肌掛けタイプ
- 1.0㎏入りの合掛けタイプ
- 1.5㎏入りの本掛けタイプ
多少の入っている量に違いはありますが、だいたいこんな感じです。
ちなみに買うとしても0.5㎏前後の肌掛けタイプだけでいいですよ。
理由はこの肌掛けタイプを1枚持っていると使いまわしがしやすいからですね。
1.0㎏の合掛けタイプだと夏場使うには暑いですし、1.5㎏の本掛けタイプでも羽毛布団の保温力には勝てません。
その点、肌掛けタイプを1枚持っていると春の終わり頃~秋口までは単体で使えますし、冬には羽毛布団とセットで毛布の代用として使えます。
特に冬場には毛布よりもフィット性が高いので布団と体の間にできる隙間を埋めてくれるのであたたかい空気を逃がすことがありません。
春先や秋の終わり頃は気温と自分の体感で臨機応変にって感じですね。
真綿布団の選び方については真綿布団の失敗しない選び方!値段で何が変わるか簡単解説!【価格帯別でおすすめがわかる】という記事で解説していますので真綿布団に興味を持った人は参考にしてみてください。
ちなみにどんな真綿布団がおすすめかなのかというと、国産の最高級クラスがおすすめと言いたいところですが、正直なところ消耗品といった部分もあるので国産の肌掛け布団で2万円前後ぐらいのものがおすすめですね。
具体的なおすすめに関してはまた別で記事を書きます。
コスパ抜群の真綿布団の記事を書きました。
【梅雨の湿気対策】真綿布団はかがりびがおすすめ!年中使えるのでコスパ抜群!
他にも安い真綿布団はあるのですが、お布団の信頼性や品質を考えたときにこれが一番コスパがいいかなと思います。
おすすめの理由についてもしっかりと書いているので参考にしてみてください。
真綿布団の使い方とお手入れ方法について
まずは真綿布団の使い方から解説していきます。
といっても基本的には他の羽毛布団や合繊布団などと同じで、使うときは必ずカバーをかけて使ってください。
高い真綿布団だと側生地にもシルクが使われていてとろとろの感触で寝たいという気持ちもわかるのですが、シルクの生地は非常に弱いです。
簡単に傷がついたり破れたりするので、必ずカバーをかけて使ってください。
特に女性の人で爪が長い人は注意した方がいいですね。
それに真綿布団は洗うおとができないので、汚れや汗シミがつくのを防ぐという意味でもカバーはかけておいた方がいいでしょう。
カバーは洗えますしね。
次にお手入れ方法ですが、下にまとめておきます。
- 天日干ししない
- 干す時は風通りのいい所で日陰干し
- 干す時に叩かない
- 収納する時は布団袋に入れて防虫剤を入れて保管
簡単にまとめるとこんな感じですね。
少し補足して説明しておきます。
天日干ししないと書きましたが、別にできないことはないことはありません。
ただ真綿布団は紫外線に弱く、長時間日光にあたると生地が焼けて色が変わってきたり黄変します。
ですので、どうしても天日干ししたいという人はごく短時間だけカバーをつけたまま干せばまだできなくはないです。
おすすめはしませんけどね。
あと干したときに布団タタキでバンバン叩く人いますが、やめてください。
中の真綿が綿切れを起こして劣化が早くなります。
生地にしても痛むのでいいことありません。
ホコリが舞っているように見えるので、キレイになっているように思いますが中のわたや生地の繊維が舞っていることも多いです。
ホコリが気になる人はサッと撫でるように落とすのがベストです。
保管するときの収納方法ですが、真綿は動物性たんぱく質なので虫食いにあう可能性があります。
かといってビニール袋に入れてしまうと湿気がこもりやすく、袋の中では湿気を放湿することもできないのでやめておいた方がいいです。
収納する時はしっかり布団用の収納袋に入れて保管する方のがおすすめです。
別にこれにこだわる必要はありませんが、肌掛けなので薄型なので収納スペース的にも省スペースで収納できるのでおすすめです。
似たようなものが家にあればそれで大丈夫ですよ。
とこんな感じでせっかく買った真綿布団を少しでも長く使えるように使い方やお手入れ方法には気をつけてくださいね。
真綿布団のまとめ
真綿布団は布団の中でも最高級のお布団ですし、機能性でも文句なしです。
ただ値段の高さがネックだったのですが、最近では安いものも出てきています。
選び方さえ間違えなければ、睡眠の質を上げてくれるいいお布団です。
選び方については別記事にて解説しますが、この記事で真綿布団についてメリットとデメリット、使い方やお手入れ方法を理解してもらえればOKです。
この記事で真綿布団について興味を持ってもらえれば具体的な選び方も参考にしてもらえれば嬉しいです。
真綿布団の選び方については真綿布団の失敗しない選び方!値段で何が変わるか簡単解説!【価格帯別でおすすめがわかる】という記事で解説しています。
真綿布団に興味を持った人はあわせて読んでみてください。
他にも夏用の暑い時期に使う寝具を探しているのであれば、ダウンケットまとめ【使う時期や選び方は?おすすめまで紹介!】という記事でまとめています。
値段が安いものも多く、洗えるものも多いのでおすすめです。
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