具体的にどんな真綿布団を選べばいいかわからない・・・
安い真綿布団って正直どうなの?
この記事ではこんな疑問にお答えします。
睡眠閑居・寝具指導士で寝具業界の営業のしーさん(@lipton0507)が解説します。
真綿布団って値段が100万円ぐらいするものから1万円ぐらいまでのお布団まで差がすごいです。
でも値段の差で具体的に何が変わるのかってわからないですよね。
検索しても真綿のメリットやデメリットは書いてあっても何を基準で選べばいいかは書いていなかったり。
この記事では値段でどこが変わって、どう選べばいいのかを中心に解説します。
選んではいけない真綿布団の特徴についても解説しますので、真綿布団が欲しいと思う人は失敗しないためにも参考にしてみてください。
不必要に高いものを買うのではなく自分の用途にあったお布団を選んでくださいね。
そもそも真綿布団ってどんなもの?と思った人は真綿布団とは?どんな人にいるのかメリットやデメリットを解説【綿の1.5倍ムレにくい】という記事でメリットやデメリット、どんな人に向いているかお手入れ方法について解説していますので参考にしてみてください。
真綿布団の値段って何で変わる?
真綿布団の値段で何が変わるのかというのはかなり気になる部分だと思います。
ここでは具体的に値段の差でどこが変わるのかを解説していきます。
値段の違いで変わるポイントは大きく分けると3つあります。
- 生地が変わる
- 真綿の産地や質が変わる
- 真綿の引き方が変わる
ざっくりとまとめるとこんな感じです。
それでは個別に解説していきます。
生地が変わる
この生地が変わるというのはお布団に使われている側生地が変わります。
この側生地ですが、高い真綿布団の場合だとシルク100%が使われることが多いです。
シルク100%だと肌触りは抜群にいいですし、体にしなやかに寄り添ってフィットするドレープ性も抜群です。
寝返りをうった時でもしっかりとフィットしてくれるので、お布団と体の間に隙間ができにくく暖かい空気を逃がしにくいのも嬉しいポイント。
中価格帯や安めの真綿布団の生地は綿が使われることが多く、綿の二重ガーゼも多く使われます。
綿の二重ガーゼ生地は通気性がよく、中綿である真綿の特徴を活かしてくれます。
逆にこの後の選んではいけない真綿布団のところでも解説しますが、側生地がポリエステル100%のものは選んではいけません。
ポリエステル100%の生地は見た目は光沢もあっていいのですが、吸湿性や放湿性がなく真綿の特徴を活かすことができません。
真綿の特徴を活かすなら天然繊維のものを選ぶようにしてください。
中綿との相性がいいのでそちらの方がおすすめです。
生地については布団カバーやお布団の生地の特徴と選び方について【生地が変われば寝心地変わります】という記事でも解説しています。
興味がある人は参考にしてみてください。
真綿の産地と質が変わる
真綿といっても産地や質にランクがあります。
まずは僕が中国に行ったときに見せてもらった真綿の写真をご覧ください。
※全て中国の真綿です。
同じ中国製の真綿でも明確な違いがあります。
なんの予備知識がない状態で見てもなんとなくわかるかもしれませんが、右にいくほど高品質で良質な真綿になります。
左の真綿や真ん中の真綿を見ていると、うねうねっとした筋みたいなものが見えるのがわかると思います。
高品質な真綿ほどこのような筋はなく、均一に近づいていきます。
お布団にした時にこのような筋があると均一にならず、結構気になったりします。
バランスも悪くなったり、見た目も悪くなったりしますしね。
同じ中国製でもこのようにランクがあり、値段も変わってきます。
中国製の真綿を原材料としている真綿布団は低価格~中価格帯までのものが多い傾向にあります。
特に低価格帯の真綿は質も悪く、綿切れを起こしやすかったり、玉になりやすく耐久性が低い傾向にあります。
逆に国産でブランド化している入金真綿や近江真綿などの産地のものは値段は高くなりがちですが、質に関してはかなり高品質です。
国産のものはこの後に解説する布団用の真綿の製造方法も手引きと呼ばれる昔ながらの伝統製法で作られているので、ふくらみもありつつ均一に作られているので寝心地も抜群で耐久性も高いですよ。
とはいえ値段もかなり高めなのがネックですね。
真綿の引き方が変わる
真綿の産地と質が変わるという部分でも少し触れましたが、真綿の引き方も質が変わる要素です。
そもそも真綿をお布団に使おうと思った場合、引き伸ばしてシート状にしないと使えません。
その引き伸ばす工程にも値段が変わる要素があります。
比較的安い中国製のものだと、真綿を引く工程に機械を使います。
機械を使うと量産しやすくなるので、コストが下がるのでいいのですが真綿はデリケートなのでなかなか均一に引き伸ばすことができません。
そうなると真綿が分厚い部分ができてしまったり、薄い部分が出来てしまったりするので暖かさや寝心地にも影響が出てきます。
この機械で真綿を引くのを機械引きというのですが、あまり質が高くないので安い真綿布団に使われることが多いです。
逆に高額な国産の真綿布団の場合は手引きと呼ばれる製法で作られます。
この製法は熟練の職人さんが2人1組になって真綿を手で引き伸ばしていきます。
この製法の場合、生産数量は少なくなってしまいますが均一な真綿になり暖かさや耐久性も高く寝心地の良い高品質な真綿が出来上がります。
熟練の職人さん2人がかりで1日にお布団2枚分の生産量とかですからね。
そりゃ高くもなります。
ちなみにこの手引きの製法は中国にもありますが、日本ほど質が高くないです。
人海戦術的な要素もあって中国の方が生産数は上がりますし、賃金もまだ安いので日本国内の手引きよりはコストが安くなりますが、それでも機械引きよりは高いです
質の面でも国内よりは低いですね。
真綿自体の質としては
国内手引き>>>>>>>中国手引き>>>>>>>中国機械引き
こんなイメージですかね。
ちなみに値段も同じような傾向にあります。
高価格帯の真綿布団の特徴
高価格帯の真綿布団の特徴はわかりやすく見分けやすいです。
値段は中綿の量にもよりますが10万円以上のものがほとんどで、中には100万円クラスのものもあります。
側生地にはシルクを100%使用しているものが多く、高額な真綿布団は入金真綿や近江真綿などの国産の有名産地のお布団が多いです。
入金真綿にしても近江真綿にしても生産数が少なく高品質なので、価格が高くなりがちですが真綿布団としてはかなりおすすめです。
ただ、なんせ高い真綿布団なので買える人が少し限られてしまうのが少しネックですね。
量販店では取り扱いがないところがほとんどですし、専門店でも扱っているお店はそこまで多くありません。
催事販売や百貨店などで取り扱いがあるかなといった感じですね。
最近では百貨店での取り扱いもなくなっているので催事販売がメインかなと思います。
多少、値段が高くても質のいい本物の真綿布団が欲しい人はこの価格帯の真綿布団がおすすめです。
中価格帯の真綿布団の特徴
この価格帯の真綿布団を選ぶのが1番難しいのですが、現実的に手の届くお布団で質としてもおすすめできるのがこのクラスになります。
側生地の素材はシルクのものは少なく、基本的に綿が多いです。
中綿の真綿も国産のものではなく、中国製の真綿になります。
このクラスで選ぶべき真綿は中国製でも手引き真綿です。
これはもう断言しておきます。
ただし、このクラスでも中国製の手引き真綿と機械引き真綿が混在している部分があるので選ぶのが難しいです。
商品説明のところに手引きと明記してあれば安心ですが、書いていないケースも多いので。
多分、書いていないのは機械引きだとは思うのですけどね。
寝具業界であれば謳い文句になるメリットはきっちり記載しますし。
ちなみに真綿の産地について商品説明がないお布団はほぼ中国製と思って間違いないです。
中国製でなくても海外製ですね。
価格の目安ですが、これも中綿の量によって変わる部分でもありますが、1万5千円~6万円ぐらいまでかなと。
非常に選ぶのが難しいクラスなので、このクラスのおすすめについては別記事で紹介するようにします。
中価格帯のおすすめの真綿布団の解説記事を書きました。
【梅雨の湿気対策】真綿布団はかがりびがおすすめ!年中使えるのでコスパ抜群!という記事でおすすめの理由も含めて解説していますので参考にしてみてください。
せっかく買うならコスパのいいものを探しているという人にはこの価格帯の真綿布団がおすすめです。
低価格帯の真綿布団の特徴
低価格帯のクラスもわかりやすいです。
値段の目安としては1万円前後。
低価格帯の真綿布団の特徴は中国製のものが多いです。
当然ながら中国で製品にまでする方が安いので値段も安くなる傾向にあるのですが、品質面では不安が残ります。
中国製のものの品質が上がってきているとはいえ、日本の品質基準には満たないことも多いですし。
検品がしっかりとしていないこともあるので、安くはないお布団の製品だとあまり中国製はおすすめしません。
カバーや敷きパッドなら品質以上にコストメリットの方が大きいと思うのでまだ許容できるかなといった感じです。
このクラスの真綿布団は生地は綿やポリエステル、レーヨンになってきます。
中綿の真綿も中国製になりますし、質の悪い真綿が原材料になっていることが多いです。
もちろん使えないこともないですが、耐久性は低くく、目に見えない中綿が薄くなっていたりする可能性もあります。
できるだけ良いお布団で寝て欲しいと思うのでこのクラスは正直あまりおすすめしていません。
この価格帯を選ぶのであれば、とにかく安い真綿布団が欲しい人やお試しで使ってみたいという人が向いています。
失敗しない為に選んではいけない真綿布団の特徴
失敗しない為に絶対に選んではいけない真綿布団の特徴は生地の素材がポリエステル100%のものですね。
価格を安くするためにポリエステルを使っていると思うのですが、真綿のメリットをほぼ活かせません。
真綿のメリットとして吸湿性が高く、放湿性も高いのでムレにくいのですが、ポリエステルはムレますし、吸水性もないので汗を吸いません。
寝心地は最悪ですよ。
ポリエステルには吸水性を持たせる加工もできますが、値段が安いってのを売りにしていると思うのでそんな加工はついていないと思います。
ちなみにポリエステル100%なら洗っても縮みにくいので洗えるを謳い文句にしていたりもしますが、中綿は洗うとちぎれたり偏ったりします。
ちなみに高い真綿布団だと生地の素材が綿でも洗えないものがほとんどです。
無理して洗うと中綿がちぎれてお布団の寿命も短くなる可能性も高い気がします。
あとこれは個人的に思うことですが、ポリエステル100%の生地って光沢があって写真とか映像で見るとシルクっぽく見えるんですよね。
商品が真綿布団なので誤解を招く可能性が高いのもちょっとどうなのかなと思います。
他の布団ならそんなことも思わないのですが、商品が真綿布団ですからね・・・
まぁこれは完全に個人の意見ですけど。
とこんな感じでポリエステル100%の生地を使っている真綿布団を買うのはやめておいた方がいいです。
こんな真綿布団を買うぐらいなら合繊の掛け布団を買う方が安くておすすめです。
真綿布団の選び方のまとめ
真綿布団の値段で何が違うのかという点を中心に解説してきました。
最後に簡単に値段が変わると何が変わるのかという点と選び方についてまとめておきます。
まずは値段で変わるポイントから。
- 生地の素材が変わる
- 真綿の産地と質が変わる
- 真綿の引き方が変わる
次に選ぶポイントについて。
- しっかりと品質のいいものが欲しい人は高価格帯の日本の有名産地の真綿布団
- コスパ優先だけどなるべくいいお布団で寝たい人は中価格帯の真綿布団
- とにかく安いい真綿布団が欲しい人や試してみたい人は低価格帯の真綿布団
とこんな感じです。
選び方が難しい真綿布団ですが、機能性としては抜群で本当にいいお布団です。
いい寝具で寝ると睡眠の質も上がりますし、自分のパフォーマンスも上がります。
それだけにしっかりと自分にあったお布団を選んで寝てくださいね。
もし夏場に使える掛け布団を探しているのであれば、ダウンケットまとめ【使う時期や選び方は?おすすめまで紹介!】という記事で解説しているので参考にしてみてください。
真綿布団より安いものが多く、洗えるものも多いのでおすすめです。
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