えっ・・・羽毛布団ってただ押し入れで保管していればいいんじゃないの?
せっかくの羽毛布団が破れた・・・捨てるしかないのかな・・・?
この記事ではこんな疑問にお答えしていきます。
睡眠環境・寝具指導士で原毛機の寝具業界の営業マンのしーさん(@lipton0507)が解説します。
せっかく買った高い羽毛布団ですから長く使いたいですよね?
同じ時期に買ったあの人はまだまだふっくらしているのに自分の羽毛布団はぺしゃんこ・・・
なんてことになったら悔しいでしょうし、損をした気分になったりしますよね~
でも手入れの仕方がわからない・・・
どうやって収納すればいいかわからない・・・
そんな人の為にこの記事では正しい羽毛布団の手入れの仕方と保管方法についてわかりやすく説明していきます。
そんなに難しいことではないのでできる範囲からやっていきましょう。
お手入れの方法
「羽毛布団の手入れの仕方なんかわからない!」
「手入れなんか干してバンバン叩いて埃を落とせばいいんじゃないの?」
なんて方も多くいるかと思います。
そんなに難しく考える必要はありません。
ただ今やっている方法が正しいのであれば読み飛ばしてもらっても問題はないのですが、意外とできていない方が多いのが現状です。
ここでもう一度正しい手入れの方法を復習しちゃいましょう。
ではさっそく見ていきましょう!
羽毛布団の正しい干し方
まず羽毛布団の正しい干し方から説明していきますね。
そもそもなんで羽毛布団は干す必要があるのか?という疑問に思う方もいるかもしれません。
羽毛布団を干す理由ですが、中に入っている羽毛は湿気が苦手です。
湿気を含むと羽毛はふくらみが弱くなっていきます。
人間は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくといわれていますが、その汗はお布団の生地や中の羽毛が吸収してくれているワケです。
ほっといてもある程度までは乾燥して寝汗の湿気は飛んでいってくれますが、毎日完璧には湿気はなくなりません。
蓄積された湿気が羽毛にまとわりついてどんどん羽毛がふくらめなくなっていくんですね。
それに羽毛は動物性のものなので、湿気を多く含んでしまうと臭いの元にもなったりします。
基本的にはしっかりと洗浄された羽毛が使われていますが、どうしても湿気が多いと臭いがすることがあります。
臭いの感じ方には個人差があるので気にならない人もいれば気になる人もいます。
例えば自分は気にならなくても旦那さんや奥さん、お子さんなんかが気になると言う人もいるかと思います。
そんな人もこまめに干すことによって改善するかもしれません。
そこで干すことによって湿気を飛ばし羽毛本来のふくらみを取り戻すお手伝いをして臭いの元を断ってしまいましょう!
正しい干し方で干すことによって羽毛もふっくらとふくらみを取り戻しますし、なによりふかふかになったお布団で寝るのは気持ちがいいですよね!
でも間違った方法で干してしまうとお布団を傷めることにもなります。
結果的にせっかくのお布団の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
大事なポイントは3つだけですし、簡単なことなので是非取り入れていってくださいね!
①干し方
カバーをつけて片面1時間程度を風通しの良い日陰で干してください。
何故カバーをつけたまま干すかというと、布団の側生地は綿やポリエステルのものが多くあります。
この綿やポリエステルは紫外線に弱く、長時間の直射日光にあたると劣化が早まります。
劣化してくると色落ちや吹き出しの原因にもなりますのでやめておきましょう。
日陰で干すのも上と同じ理由ですね。
風通しの良い場所で干すことによって湿気を飛ばし、しっかりと乾燥させてあげましょう!
②干す時間帯
干すのにおすすめの時間帯は10時頃〜15時ぐらいまでがいいですね。
朝方や夕方に干すと湿気も出てくるので、せっかく干して乾燥したお布団にまた湿気が含まれることにもなります。
それと雨が続いた後は晴れていても湿気があることがありますので、晴れが続いてる時に干すことをおすすめします。
③やりがちなやってはいけないこと
ここではよくやりがちなやってはいけないことを紹介します。
圧倒的に多いのが干しているお布団をバンバンと叩くことです。
ちょっと前は騒音おばさんが話題になったりしましたが、鬼のように布団を叩いていましたよね?
あそこまでとは言いませんが布団を強く叩く人は多いです。
たしかに干している布団を叩くと埃が舞うのが目に見えますし、埃が落ちていくのでついついやりがちですが、側生地を傷めることに繋がります。
羽毛布団の側生地にはダウンプルーフ加工という生地の目つぶし加工がされています。
このダウンプルーフ加工をすることによって側生地から中の羽毛が吹き出さないようにしてるんですね。
そんなダウンプルーフ加工ですが布団叩きで叩くことによって、側生地が緩んでしまう可能性があるんです。
一度緩んでしまった側生地はもう戻りません。
緩んでしまった部分から羽毛が吹き出してしまえば、そこからちょこちょことですがずーっと羽毛が出てきます。
カバーを開けたら羽毛が出てるやん・・・
なんてことになりかねないので干している時に布団叩きを使う場合は生地の表面を軽く叩く程度にしてください!
保管・収納の仕方
羽毛布団って大きくてかさばるので収納するのが大変ですよね。
保管方法も畳んでそのまま押し入れにポンっと入れてそのまま冬まで放置!なんて方もいるかと思います。
でもその方法だとせっかくの羽毛布団も寿命が短くなってしまうかもしれませんよー
ちゃんと正しい保管方法も収納方法もあるので覚えておいてくださいね。
それではさっそくどう保管して収納していけばいいか見ていきましょう。
保管・収納方法
保管方法と言いましたが、その前に是非やっておいてもらいたいことがあります。
前段階として今まで使ってたお布団を必ず乾燥させてください。
別に必ず布団乾燥機を使ってください!なんて言うつもりはないです。
天気のいい日中に干して乾燥させてくれればOKです。
もちろん、布団乾燥機でも大丈夫なので持っている方は使っちゃってください。
しっかりと乾燥させた後は通気性のいい袋に入れて押し入れやクローゼットのなるべく高いところに収納することをおすすめします。
通気性のいい袋ってどんなもの?
なんて疑問もあるかと思いますが、1番わかりやすいのが羽毛布団を買った時に入っていた不織布のケース。
ちなみに種類も多いのでいろいろなカタチのケースがありますが基本こんな感じ。
ちなみに普通のビニール袋に入れて保管するのはやめてくださいね!
ほぼ通気性がないので湿気がこもりやすいので最悪です・・・
あとは羽毛布団を裸で置いておくのもおすすめしません。
虫食いにあう可能性があります。
せっかく収納して保管していた羽毛布団が寒くなって引っ張り出した時に穴が空いて使えない!なんてことになったら最悪です。
そんなことにならないようにやめておきましょう。
収納する場所が高いところがいい理由ですが、湿気は下の方からたまっていく性質があります。
なので高いところに収納すればその分だけ湿気に晒される機会が減るのでいい状態で保管することが出来ます。
オススメしない保管方法
羽毛ふとんはどうしてもかさばるので圧縮して保管しがちです。
圧縮して保管すると収納スペースを大幅に小さくできるので非常に便利だと思います。
最近ではネット通販や量販店でも羽毛布団が圧縮された状態で届いたり店頭に並んでいたりすることが増えてきました。
これはここ数年で運賃が大幅に値上がりしたことが原因です。
メーカーさんも少しでもコストを下げて少しでも安くいいものをみんなに届ける為の企業努力だと思います。
ただこの圧縮するのはあまりおすすめしません。
というのも圧縮することによって羽毛が壊れてしまったり、長期間の圧縮によって元の羽毛の大きさに復元しないことがあります。
この場合は元通りのふくらみに戻りません。
もしお布団を購入した時にお布団が圧縮されているようでしたら、すぐに開封して2~7日程度外に置いておいてください。
もちろんすぐにお布団として使っても大丈夫です!
そこまで長期間でなければ羽毛はふくらみを取り戻します。
メーカーから出荷する場合はどの程度の圧縮率でどの程度の期間の圧縮でどこまでふくらみが復元するかデータを取っているメーカーもあります。
ただ一般家庭で同じ事をしようとすると設備も違いますのでやめておいた方が無難です。
汚れ・穴あき・破れの補修方法
お布団を使っているといろいろなことが起こります。
汗で襟元が汚れた・・・
お布団の上で何かをこぼしてシミになってしまった・・・
気が付けばお布団に穴があいている・・・
あいた穴に爪なんかをひっかけて破れてしまった・・・
なんてよくある話ですよね。
そんな時にどんな風に対処すればいいかお話します。
汚れやシミの落とし方
お布団のような大きなものは汚れたりしても頻繁には洗えませんよね?
そんな時は今から説明する方法で簡単に汚れを落とせますよ。
お布団についた汚れやシミの落とし方ですが、基本的には洋服のシミ抜きと同じ要領で部分洗いと考えてください。
ポイントは3つなので覚えておいてくださいね。
①ぬるま湯で薄めた中性洗剤にタオルなどの綺麗な布をつけ、汚れた箇所を軽く叩く。
注意するポイントは汚れやシミは自分が思っているより広がっているので周囲から広めに叩くのがいいですよ。
その時はゴシゴシと強めに擦ったりするのはやめてください。
余計に汚れやシミを広げてしまう可能性があります。
②残った水分を優しく拭き取る。
①の工程で側生地の表面が濡れてしまっているので乾いた綺麗なタオルで水分を拭き取ってください。
③最後に布団を干す。
②の工程で水分はだいぶ拭き取れているとは思いますが、お布団を干しましょう。
その方が残った水分もしっかり乾かすことができます。
何度も言っていますが、お布団に湿気は天敵です。
汚れがひどく丸洗いしたい場合
部分的な汚れの場合は家庭内でも対処できる場合も多いですが、あまりにひどい場合はクリーニングに出すのがおすすめです。
コインランドリーで洗うといった話を聞きますが、洗える羽毛布団以外はおすすめしません。
正しい洗い方や干し方をしないと羽毛の吹き出しや臭いの原因にもなってしまいます。
コインランドリーでのタンブラー乾燥が何故おすすめできないのかは布団をタンブラー乾燥したらダメ?どうなるの?【解決方法は3つ】という記事で解説していますので参考にしてみてください。
寝具業界の人間としてはダウンケットのような薄手の羽毛布団を除けば、羽毛布団はクリーニング業者でのクリーニングをおすすめしています。
羽毛布団のクリーニングの専門のノウハウを持った業者で洗ってもらうのが1番安心でおすすめです。
とはいえ費用もかかることなので、事前にいろいろと知っておきたいですよね。
羽毛布団のクリーニングについては羽毛布団のクリーニングとは?メリットやデメリットを解説という記事で解説していますので参考にしてみてください。
実際に僕が羽毛布団をクリーニングに出した体験談や口コミが気になるといった方は羽毛布団を宅配クリーニングのフレスコで洗った感想を写真付きで解説!【評判や口コミも】という記事で解説しています。
洗う前と洗った後の比較の画像もあるので参考になりますよ。
穴あきの補修方法
どこかに引っ掛けたりして穴があいてしまうことってありますよね?
そんな時にお布団を直接縫って補修しようとしていませんか?
それは間違ったやり方なので絶対にしないでください!
羽毛布団の羽毛はすごく小さな針穴からでも吹き出してきます。
じゃぁどうすればいいの?
簡単に補修できますので説明していきますね!
補修布(補修シート)を使う
100均のダイソーなんかでも売ってるこんなやつです。
100均で売ってるのは主に服の補修用なので、できれば羽毛布団で使えるものがいいです。
ただ一時しのぎでも100均で買ってきて早期に対応しておかないとどんどん羽毛が吹き出してくるので大変です。
羽毛はふわふわと軽いのでお部屋に舞うと掃除が大変ですし、服や髪の毛につくとなかなか取れません。
まぁ正直なところ100均のものでも対応できるとは思うのですが、耐久性と品質の安定性っていう部分で不安が残ります。
元々衣類用ですし、中の羽毛をどれだけ止めれるかも確証がありません。
ですので基本的には羽毛用の補修シートを使うことはおすすめします。
Amazonでも羽毛布団用の補修シートがが500円程度買えます。
こんな感じの商品です。
一辺が7㎝程度の穴ぐらいまでならペタっと簡単に修復できます。
では補修布(補修シート)の使い方を説明していきますね。
工程としては5つですのでまだ個人でも修理できると思います。
買い替えでお金がかかることを思えばチャレンジしてもいいと思いますよ!
- 補修布(補修シート)を修理する箇所より気持ち大きめに切る。
- 修理する部分ができるだけ平になるように羽毛を端に寄せて、接着面(ザラザラしている面)を下にして置く。
- アイロンの温度をドライの中温(140~160℃)にし、あて布をして約15秒程度プレスする。
- 補修布(補修シート)をしっかり接着をさせる為、冷めるまでお布団を動かさずに放置。
- しっかり接着できているのが確認できれば羽毛の位置をもとに戻すように軽く叩く。
注意点としては補修布をカットを切る時に四隅の角を丸めにカーブをつけて切っておくと剥がれにくくなるのでおすすめです。
あとアイロンをあてる時には必ずあて布を忘れずにしてくださいね。
最悪の場合、被害拡大しますから。笑
では次に破れた場合や大きな穴があいた場合の対処方法のお話をします。
破れた場合の対処方法
先に紹介したような補修布で修理できないような大きな穴や破れた場合ですが、その時は素直に買い替え、もしくは専門店や業者による修理を依頼しましょう。
購入してから5年以上たっている羽毛布団であれば買い替えを検討してみてもいいでしょう。
逆に買ってまだ日も浅いというのであれば業者による側交換を依頼しましょう。
側交換というのは羽毛布団の側生地のみを交換することになります。
最近ではよく羽毛布団の打ち直し(リフォーム)という言葉を見かけることがあるかと思います。
この打ち直し(リフォーム)をやっている専門店や業者さんにお布団を持っていくと有償にはなりますが、側交換してもらえます。
シングルサイズの羽毛布団の側交換でだいたい10,000円~でできます。
~というのは側生地の素材によっては値段も変わってくる為ですね。
買った羽毛布団が側交換の値段よりも安い場合は新しく買い替えるのもいいと思いますよ!
ただ側交換の値段ももっと安いところも探せばあるかもしれません。
ネットで見てみただけですので・・・
実際の専門店なんかだとこれより安くやってくれるところもあるかもしれませんし。
ちなみにリフォームも打ち直しも同じような意味で、何をするかというと、
- 羽毛布団の解体
- 中の羽毛の洗浄・乾燥
- 足し羽毛(洗浄して際に減った分を新品の羽毛を足すこと)
- 羽毛の充填
- 縫製・検品
打ち直し(リフォーム)については羽毛布団の打ち直しとは?お得な人と損する人の違いを解説という記事で解説していますのであわせてご覧ください。
今回の側交換の話ですが、上の打ち直しの工程から2~4を省いたものになります。
つまり羽毛の工程をすっぽりと省いてしまったワケですね。
費用を意識するのであればあくまで修理の側交換のみをオススメしますが、費用にも余裕があるのであれば打ち直しを検討してみてください。
打ち直しであれば中に入っている羽毛も洗浄してもらえますし、悪くなった羽毛も取り除いて新しい羽毛を足してもらうこともできます。
リフォームの費用もピンキリですが15,000円ぐらいからありますので、せっかく修理するならついでに中の羽毛も洗うことも検討してみては如何でしょうか?
寝具に携わる人間としては打ち直しをおすすめします。
理由としては自分の使っている羽毛布団の羽毛の状況を確認する機会は少なく、家庭ではなく専門の業者に自分の羽毛布団を洗ってもらう機会もほとんどない為です。
羽毛の状況を見て羽毛の状態が悪ければ買い替え等の説明を受けれますしね。
羽毛布団のお手入れのまとめ
正しいお手入れの方法とありがちな間違った手入れの方法のお話をさせていただきました。
意外と知っているようで知らないこともあったかもしれませんが、簡単にお手入れはできるかと思います。
ただ穴あきや破れが発生した場合は早急に対処してください!
放っておいても良くなることはありませんし、どんどん状況が悪化します。
正攻法ではないですが、一時的な応急処置としてガムテープで貼って穴や破れを塞ぐという手段もあります。
すぐ剥がれてしまうのであくまで応急処置ですけどね。
基本的に大きな穴あきや破れが発生した場合は専門店や業者にお願いして修理するか買い替えになることを覚えておいてくださいね。
でないとどんどん羽毛が吹き出して掃除やら何やらむっちゃ大変なことになります!
ですのでその場合は素直に修理を諦めて専門店や業者に相談してくださいね。
羽毛布団については羽毛布団の選び方まとめという記事で羽毛布団の選び方からどこで値段の違いがでるのか、おすすめの羽毛布団の紹介までまとめていますのであわせてご覧ください。
コメント