クリーニングってどれくらいの頻度で出せばいいの?
羽毛布団のクリーニングの料金の相場はどれくらい?
この記事ではこんな疑問の答えをまとめています。
睡眠環境・寝具指導士で現役の寝具業界の営業マンであるしーさん(@lipton0507)が解説します。
最近では洗える羽毛布団も増えてきました。
ただダウンケット のような肌掛けならばご家庭で洗うこともできますが、本掛け布団をご家庭で洗うのは大変だと思いますし、正しい洗い方をしないと羽毛の吹き出しの原因にもなります。
そんな時に利用できるクリーニングサービスについて解説します。
結論から言うと、本掛け布団ならクリーニングがおすすめです。
ダウンケット や肌掛けならばご家庭での洗いでも大丈夫です。
この記事ではクリーニングサービスのメリットやデメリット、タイミング、相場と頻度について解説していきます。
- 羽毛布団のクリーニングのメリット
- 羽毛布団のクリーニングのデメリット
- 羽毛布団のクリーニングに出す頻度と相場
- 実際に羽毛布団をクリーニングに出した結果
羽毛布団のクリーニングのメリット
羽毛布団をクリーニングに出すメリットを大きく分けると中の羽毛をしっかりと洗える点と側生地の汚れをきれいにできる点の2つです。
そもそも羽毛布団は吸湿性にも放湿性にも優れていますので、月に1回程度でも外に干してお手入れしていればそこまで深刻に劣化はしません。
側生地の汚れについてもカバーをかけて使っていれば羽毛布団自体にはそこまで汚れがつくことも少なくカバーをかけていれば目立ちません。
それではなぜ羽毛布団のクリーニングを出すことにメリットがあるのか、ひとつずつ解説していきます。
中の羽毛をしっかりと洗ってもらえる
大きなメリットのひとつとして中の羽毛をしっかりと洗ってもらえること。
中の羽毛って外見上ではどういう状態か判断ができません。
羽毛布団の見た目はきれいでも中の羽毛は汗や皮脂、小さなホコリが入り込み羽毛に絡みついています。
これでは羽毛が本来持っている膨らみがなくなってしまいます。
膨らみがなくなってしまうと空気の層が小さくなってしまいますので、保温力が下がってしまい寝ている時に寒くなってしまいます。
お布団の保温力というのは空気の層が外気や自分のカラダから出る熱で温められることで変わります。
羽毛布団をクリーニングに出すことによって羽毛に絡みついた汗や皮脂汚れなどを取り除いてあげることによって、本来のふくらみを取り戻してあげましょう。
新品同様とまではいきませんが、かなり復元してくれますよ。
また中の羽毛が汚れているとダニの温床にもなりやすくアレルギーの原因にもなりかねません。
クリーニングに出すことによってダニのエサであるフケやアカ、ホコリなどを除去することはダニアレルゲンを取り除くために大切です。
ご家庭で外に干すだけでは落ちない中の羽毛の汚れを落とすことと水洗いをすることによってダニアレルゲンを除去できることはクリーニングに出す大きなメリットですよ。
側生地の汚れをきれいにできる
首元の汗ジミや血などの生地汚れや皮脂汚れをきれいにしてもらえることが大きなメリットです。
お布団を外で干す時に首のところが汗や皮脂で黄ばんで汚れていると少し恥ずかしいですよね。
カバーをかけるといってもやっぱり気になったりしますし。
汚れが付着してからの時間にもよりますが、ある程度の汚れは落ちます。
皮脂汚れやフケ、アカはダニのエサにもなるものですので、その汚れや老廃物をきれいにしてあげることでダニの増殖を抑えることができますし、ダニ自体も洗い流せることができます。
羽毛布団のクリーニングのデメリット
羽毛布団をクリーニングに出すメリットについては前の項目で解説しましたが、デメリットについても解説しておきます。
つい洗えるのなら頻繁に洗いたいと思いがちですが、洗い過ぎると羽毛や側生地にダメージを与えてしまいます。
デメリットは大きく分けて2つあるので個別に解説していきます。
羽毛へのダメージ
羽毛は動物の羽なので油脂分を含んでいます。
この油脂分が臭いの原因にもなったりするのですが、油脂分を取り除きすぎるとパサパサとしたふくらみの無い羽毛になってしまいます。
この油脂分を落とし過ぎることによって羽毛にふくらみが無くなってしまうと、保温性や吸湿性が低下します。
羽毛布団に使われる羽毛はきれいに洗浄されていますが、羽毛を扱う専門の業者が最低限の油脂分を残しつつ洗浄しています。
羽毛布団のクリーニングに慣れていない業者やクリーニングの回数や頻度によっては必要な油脂分まで洗い落とされてしまう可能性があるのがデメリットに挙げられます。
側生地へのダメージ
ウォッシャブル加工がされている側生地の場合は別ですが、羽毛布団用の側生地は本来洗えるものではありません。
側生地には羽毛が抜けないようにするためにダウンプルーフ加工(側生地の目つぶし加工)が施されています。
本来は羽毛が抜けないように最低限の通気性を確保しているのですが、これが洗うことによって通気性が緩んで弱くなってしまいます。
このダウンプルーフ加工が緩むと羽毛の吹き出しの原因になります。
他にも側生地の色落ちの可能性もありますよ。
洗い過ぎると劣化が進むので注意が必要です。
あまり高頻度で洗わないようにしましょう。
羽毛布団をクリーニングに出すタイミング
羽毛布団ってどんなタイミングでクリーニングに出せばいいの?という疑問をもつ人は多いと思います。
結論からお話すると使い始めて2年~3年程度でクリーニングに出してください。
お使いの状況や各メーカーによって多少変わる部分はありますが、おおよその目安はこれで大丈夫かと。
ただあくまで目安ですので、下記のような状態になった場合はそのタイミングがクリーニングに出すタイミングだと考えてください。
- 羽毛布団を干してもふくらみが回復しない
- 臭いが気になる
- 側生地の首元や目立った汚れがある場合
他にも普段からカバーを使わずに羽毛布団を使っている場合や汗かきの人や皮脂の分泌が多い人はこれよりも1年程度早くクリーニングに出したほうがいいでしょう。
逆に普段から丁寧に使っている場合は1年程度遅くクリーニングしても問題ないかと思います。
羽毛布団をクリーニングに出す頻度
羽毛布団をクリーニングに出す頻度についてわからない人が多いと思います。
寝具は毎日使うものですから、頻繁に洗いたいという人も多いでしょう。
結論を言ってしまうと、先ほどのクリーニングに出すタイミングと同様に2年~3年に1回で大丈夫です。
ホテルや旅館の場合は「布団、枕は6ヶ月に1回以上、汚れを除去するために丸洗いをすることが望ましい」と厚生労働省の「旅館業における衛生管理要領」において記載されていますが、これはあくまで不特定多数が宿泊する設備の場合ですので、自分が使うお布団とは別です。
先ほどのデメリットのところでも触れましたが、羽毛布団を洗うと側生地や中の羽毛も多少ダメージを受けてしまいます。
羽毛布団のクリーニングの頻度については羽毛布団のクリーニングの正しい頻度は?頻繁に洗った場合の2つのリスクという記事で詳しく解説しているので参考にどうぞ。
あまり頻繁にクリーニングし過ぎると羽毛布団を傷めることにもなってしまうので注意してくださいね。
羽毛布団のクリーニングより綺麗に清潔にする方法
クリーニングの頻度は2年~3年に1回と書きましたが、1回クリーニングをした羽毛布団の場合は次は打ち直し(リフォーム)を検討してみるのもアリです。
羽毛布団の中の羽毛の状態を確認して古い壊れた羽毛を取り除き、足し羽毛をして側生地を交換してもらえる打ち直しをしてもらう方が、結果的に長くいい羽毛布団が使えてコストパフォーマンスがいいかもしれません。
羽毛布団の打ち直し(リフォーム)については羽毛布団の打ち直しとは?お得な人と損する人の違いを解説という記事で解説していますのであわせてご覧ください。
羽毛布団のクリーニングの料金相場
羽毛布団のクリーニングについては分かってきたかと思いますが、次に気になるのはお値段ですよね?
これはサービスの内容によって相場が変わってきます。
2種類に大きく分けてお話します。
羽毛布団を持ち込んでクリーニングしてもらう場合の値段の相場
まず羽毛布団を自分で持ち込んでクリーニングを依頼する場合の値段ですが、日本で1番大きい寝具チェーン店のタナカふとんサービスを例にとってみます。
タナカふとん(じぶんまくら)は全国に100店舗以上ある巨大寝具チェーンで最近ではイオンモールに入っている店舗もあります。
タナカふとんの場合、羽毛布団の丸洗いサービスが一律3,300円です。
これはかなり安いです。
元々は寝具の専門店ということもあり、羽毛布団の取り扱いにも長けていますので持ち込みで羽毛布団の丸洗いを考えている場合はタナカふとんがおすすめです。
この価格が実現できる理由として考えられるのは店舗に自分で持ち込むことによってお店側の負担を減らすことによって低コスト化しています。
価格面では圧倒的ですが、デメリットは店舗を探すことと持ち込みと引き取りの手間ですね。
羽毛布団はどうしてもかさばるので、1枚であれば大丈夫かもしれませんが複数枚になってくると車が必須になってきます。
あとは店舗でやっている以上、営業時間もありますので時間を考えないといけないのもネックですね。
持ち込んだり引き取りにいくのが面倒だと思う人や働いていて時間があわないという人はこの後に紹介する宅配クリーニングのサービスがおすすめです。
羽毛布団を宅配でクリーニングしてもらう場合の値段の相場
先ほどの持ち込みでクリーニングをしてもらう場合は価格面ではメリットが大きいのですが、持ち込みをする手間を省きたい人やクリーニングする枚数が多い人にはこちらの宅配クリーニングがおすすめになります。
価格の相場としては羽毛布団1枚あたり8500円程度~といった感じです。
これだけ見ると先ほどの持ち込みと比較したら2倍以上高いので持ち込みを選ぶ人が多いと思いますが、羽毛布団2枚になった場合は11,000円~12,000円が相場になってきます。
1枚あたりに換算すると5,500円~6,000円程度になってきます。
もちろんこの料金には往復の送料が含まれているお店がほとんどですので、後から送料が請求されるといったことも北海道や沖縄や離島のように遠方でない限り少ないです。
他にもクリーニングする枚数が増えていくとさらに割引になるところが多いですね。
家族の分まで一緒にまとめて洗う場合はさらにお得なのでクリーニングに出す場合は数をまとめた方がお金の部分でもメリットがありますよ。
宅配サービスを利用した場合、手間が省けるのが最大のメリットです。
申し込みをすると自宅に集荷袋が送られてくるので、その袋に羽毛布団を入れて送り返せばOKです。
集荷も運送会社に連絡をすれば自宅まで取りにきてくれるので枚数が多い場合は非常に楽です。
羽毛布団を複数枚クリーニングに出す場合は、重さよりもかさばって持ち運びしにくいので荷造りするだけで自宅まで取りにきてくれるのは助かります。
届けてもらう場合も同じで自宅まで持ってきてもらえますし、不在の場合でも自分のタイミングで再配達してもらうことができるので便利です。
デメリットとして運送便を使うのでその分の費用が持ち込みの場合と比較して高くはなりますが、利便性を考えると宅配サービスの方が圧倒的に高いので僕はこちらをおすすめします。
羽毛布団のクリーニングの料金については【全23社徹底比較】羽毛布団の宅配クリーニングの料金は?【値段で選ぶと後悔するかも】という記事で比較しておすすめを紹介しています。
お店によってサービス内容が違うので比較しにくいですが、参考になりますよ。
羽毛布団をご家庭で洗う時のデメリットやリスク
そもそも羽毛布団ってご家庭で洗うのは難しいです。
ウォッシャブル対応の生地であればご家庭でも洗濯絵表示に従ってできるのですが、古い布団だとほぼご家庭では洗えません。
最近では洗える布団が増えてきていますが、水を含んだお布団は普通のお布団の何倍もの重さになってしまいます。
羽毛の充填量(羽毛が入っている量)が1.2㎏の羽毛布団の場合だと製品での重さが2.0㎏~2.2㎏程度ですが、今市場に多く流通しているポリエステル85%綿15%の素材だとこれぐらいです。
正直、僕自身は水に浸かったお布団の重さを測ったことはありませんが、仮に2倍だとしても4㎏以上になりますし、3倍だと6㎏以上になってきます。
これをご家庭で家族の人数分を洗うと考えるとかなりの重労働ですよね。
そして干したとしても1日で乾ききらないこともあります。
またデメリットのところでも解説したように正しい洗い方で洗わないと側生地は羽毛が吹き出すことにもなりますし、縮んでしまったり色落ちしてしまう可能性もあります。
羽毛の場合、羽毛自体がダメージを受けて壊れてしまったり羽毛についている必要最低限の油脂分までとってしまい、ふくらみが無くなり保温性が下がり吸湿性も下がることになります。
ですので羽毛布団は極力ノウハウをもっている業者に任せてクリーニングに出す方が安心で手間が省けるのでおすすめです。
ちなみにコインランドリーで洗った場合も自宅で洗った場合とデメリットは同じです。
コインランドリーで洗ってタンブラー乾燥した場合のリスクについては布団をタンブラー乾燥したらダメ?どうなるの?【解決方法は3つ】という記事で詳しく解説しています。
自分で洗って失敗してしまうケースも多いので注意してください。
羽毛布団の宅配クリーニングでおすすめのお店の紹介
ここでは羽毛布団の宅配クリーニングでおすすめのお店を紹介しておきます。
自分が使ったお店は写真たっぷりでレビューしているので選ぶときの参考にしてみてください。
他にもいいお店を見つけたら記事で紹介していきます。
ここは順次追加していくので宅配クリーニングのお店選びに迷ったら読んでみてください。
フレスコ
僕が最初に羽毛布団をクリーニングに出したお店です。
寝具業界でも有名ですし、フレスコの設備や羽毛布団の洗浄プログラムは他社にも採用されるぐらい優れています。
また布団のクリーニング専門店でノウハウもかなり豊富なので安心できるといったところも選んだ理由ですね。
フレスコのクリーニングのレビューは羽毛布団を宅配クリーニングのフレスコで洗った感想を写真付きで解説!【評判や口コミも】という記事でしています。
ビフォーアフターも写真付きでのせているので参考にしてみてください。
羽毛布団のクリーニングについてのまとめ
羽毛布団のクリーニングについて知っておいて欲しいことについて解説しました。
寝具業界の人間の立場から書かせてもらうと、羽毛布団については業者でクリーニングをして欲しいというのが本音です。
ダウンケットなどの肌掛け布団であれば問題になることは少ないのですが、本掛け布団の場合、洗えない布団を洗って羽毛が吹き出したと言われることや洗って色落ちしたなどの問題は結構あります。
品質表示がシワになっていたりお布団の外周部分を見ればある程度は洗ったかどうかはわかります。
ご家庭で洗った場合のトラブルを避ける為にも専門知識のある業者にクリーニングをお任せすると安心できるのでおすすめです。
あと純粋に手間が大幅に省けるといった点でもクリーニングに任せる方がいいですよ。
仕事や家事に育児の間にするには結構キツイ重労働ですから。
もし、羽毛布団をクリーニングではなく買い替えを考えているのであれば【2024年版】羽毛布団で失敗しない選び方まとめ!【おすすめやお手入れ方法も解説】という記事でまとめていますのであわせてご覧ください。
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