羽毛布団の安いものとポリエステルの掛け布団の高いのはどっちがいいの?
羽毛布団とポリエステルの掛け布団は結局何が違う?
この記事ではこんな疑問が解決できます。
睡眠環境・寝具指導士で寝具業界の営業マンのしーさんが解説します。
最近、いろいろなモノが値上がりしててなかなか布団までお金を使いたくない。
けど、毎日使うものだから変なモノはちょっと困る。
そんな風に考えている人も多いと思います。
羽毛布団だと1万円以上2万円以下のものは比較的安いお布団の部類になりますし、ポリエステルを使った1万円程度のお布団はどちらかといえば高い部類に入ります。
ここで同じぐらいの値段の羽毛布団とポリエステルの掛け布団だとどっちがいいのか疑問に思いませんか?
この記事では具体例を出しつつ、それぞれのメリットやデメリットを解説します。
結論として、1万円以上で同じぐらいの価格帯であれば基本的に羽毛布団の方がおすすめです。
ただ、同じ値段でも羽毛布団の場合、羽毛のグレードによってはおすすめできないものも多いので選ぶ時は注意が必要です。
まずはこの記事を読んでご自分の予算と用途にあった掛け布団を選んでください。
羽毛布団のメリットとデメリット
まずは羽毛布団のメリットとデメリットを簡単に解説します。
羽毛布団の特徴を簡単にまとめてみたのでご覧ください。
- 軽い
- 保温性が高く暖かい
- 吸湿性も高く、ムレにくい
- 長く使えることが多い
- 値段が高い
- ピンからキリまであって選ぶのが難しい
- まれに臭いがすることがある
- 洗えないものも多い
ざっくりと簡単にまとめると羽毛布団にはこんな特徴があります。
掛け布団を選ぶときに暖かさに重点をおく人であれば羽毛布団が圧倒的におすすめになります。
ただ、羽毛布団といっても中の羽毛の種類によっては全くおすすめできないものもあります。
最低でもダウン率は80%以上のもの、羽毛のふくらみやすさと保温性にかかわる数値であるDP(ダウンパワー)は350以上のものから選んでください。
ダウンパワーとか難しいと思う人はゴールドラベル付きのものでエクセルゴールドラベルが付いているものを選べばOKです。
下の画像を参考にしてみてください。
この画像の上から2番目の赤色のラベルがエクセルゴールドラベルです。
他にもダックダウンやらグースダウンやら種類があって選びにくいと思いますが、予算を2万円以下に抑えるのであれば正直グースという選択肢はなくてダックから選ぶことになります。
グースは結構高いですからね。
羽毛のことをもう少し詳しく知りたいという人は【羽毛布団】羽毛のメリットやデメリットを解説!ダックやグースで何か変わるの?や【失敗しない選び方】羽毛の産地の違いは?大事なのはDP(ダウンパワー)【ラベルも解説】という記事で以前解説しているのでそちらを参考にしてみてください。
ポリエステルの掛け布団のメリットとデメリット
次にポリエステルの掛け布団のメリットとデメリットをまとめてみます。
中綿にポリエステルを使ったお布団の特徴は下の通りです。
- 安いものが多い
- 洗えるものが多くて衛生的
- 機能性加工をしているもの多い
- ダニアレルギー対策にもなる(頻繁に洗う場合)
- 吸湿性がほとんどない
- フィット性が低く、隙間風が入ることがある
- わたの保温力が低く、寒さを感じやすい
- 洗えるとはいうものの大きくて家庭ではなかなか洗えない
ポリエステルの掛け布団はほとんどのものが洗えるうえ、値段も安いものが多いのが特徴です。
また値段によっては抗菌防臭加工やさらに菌の増殖を抑える制菌加工のものなど機能性のバリエーションが豊富。
ただ、本来ポリエステルは吸湿性がなくムレやすい特徴があり、また羽毛布団ほどのフィット性もなく体とお布団の間にスキマができ冬場は少し寒く感じるかもしれません。
メリットである洗えるという点においてもお布団自体が大きいので実際にはなかなか簡単に洗うことはできません。
特にボリュームのあるものだと家庭では洗えないと思っておいた方がいいと思います。
以上がざっくりとポリエステルの掛け布団のメリットとデメリットになります。
羽毛布団とポリエステルの掛け布団を比較してみる
実際に販売されている商品で羽毛布団とポリエステルの掛け布団を比較してみます。
今回は羽毛布団の値段にあわせてポリエステルに布団を選んでみました。
まぁポリエステルの5,000円ぐらいの布団にあわせて選ぶとまともな羽毛布団ってないですからね。
まず今回比較する羽毛布団はこちら。
楽天のタンスのゲンというお店で販売されている羽毛布団で2024年4月時点での販売価格は12,999円。
日本製の羽毛布団の中でもほぼ最安値に近いお布団になります。
対してポリエステルの掛け布団はこちら。
こちらも楽天市場のふとん工場サカイというお店で販売されている中綿にポリエステルわたを使ったオールシーズン使える肌掛けと合い掛け布団がセットになった2枚合わせの掛け布団でお値段は12,999円(2024年4月時点)になります。
どちらも写真をタップすると商品ページに飛べます。
今回は価格をあわせて比較するので、厳密に同じ内容の比較にはなりませんが参考になればと思います。
まずは今回比較する商品の内容を確認していきます。
羽毛布団 | ポリエステル掛け布団 | |
サイズ | 150×210cm | 肌掛け:150×210cm 合い掛け:150×210cm |
生地の素材 | ポリエステル85% 綿15% |
ポリエステル掛け布団100% |
中綿の種類 | ホワイトダック ダウン90% |
ポリエステル掛け布団100% ダクロンFRESH7穴 |
充填量 | 1.0kg | 肌掛け:0.6kg 合い掛け:1.0kg |
製品の重量 | 1.8kg | 3.4kg |
機能性 | 抗菌防臭 防ダニ・防カビ |
洗濯機で洗える 防ダニ・ホコリがでにくい |
その他 | 7年保証 羽毛布団の無料回収 |
着脱式の肌掛けと合い掛け オールシーズン使える |
お値段はどちらも12,999円(2024年4月時点)と同じ条件です。
大きな違いは羽毛布団は1枚なのに対して、ポリエステル布団の方は肌掛け布団と合い掛け布団がセットになった2枚合わせタイプというところ。
値段をあわせると単純にポリエステル布団は1枚多くついてくるといった感じですね。
これは季節によってお布団の使い分けができるので大きなメリットでもあります。
春夏は肌掛けのみを使用し、秋は合い掛け布団を使用、冬は2枚をあわせて使うことでオールシーズン対応できます。
デメリットは使わないお布団は収納するスペースが必要になることぐらいですかね。
生地の部分は羽毛布団に軍配
生地にも違いがあって、羽毛布団の方には15%ですが綿が入っていますが、ポリエステル布団の方はポリエステル100%なのでムレやすくなっています。
羽毛自体の吸湿性と綿の吸湿性があり、どちらが寝心地がいいかと言われれば羽毛布団に軍配が上がります。
中綿の質は羽毛よりながらもイーブンかな
次に中綿の部分で比較すると羽毛布団に使われている羽毛はホワイトダック90%ですので、ダウン率も高くふわふわとした感触で寝心地も触り心地も十分おすすめできるレベルになります。
産地はアジア産ということなので、中国か台湾の羽毛を使用していますが洗浄技術も高くなっているので臭いの心配はほとんどいりません。
ダウンパワーは350なのでおすすめできる最低限の数値ですが、値段を考えれば仕方がないといった感じですね。
一方ポリエステル布団の方はダクロンのFRESHという1本の糸の中に7穴あいた特殊なポリエステルを使っています。
本来ポリエステルには吸湿性も吸水性もないですが、この7穴あいたポリエステルだと親水性があり洗濯性が向上します。
2枚合わせたとしても保温性は羽毛布団の方が高いと思います。
現物で比較したワケではないので断定はできませんが、今まで羽毛布団とポリエステルの掛け布団をさんざん売ってきた人間としてはここは羽毛よりながらもイーブンとします。
やっぱ洗えるというのはかなりメリットになりますし。
充填量と総重量の部分では羽毛布団が圧倒的
充填量と総重量で比較しても羽毛布団に軍配が上がります。
羽毛の充填量は1㎏、ポリエステルの充填量は2枚合わせて1.6㎏と量だけはポリエステルの方が多いです。
ただ、これは充填量が多ければ多いほど良いというワケではありません。
個人的には充填量が1.6倍あったとしてもポリエステルより羽毛の方が暖かいと思っています。
あとやっぱり軽いは正義ですよ。
軽くて暖かいという部分においては羽毛布団が圧倒的に優れています。
お布団が重いとなると寝ていると単純に疲れ具合が変わります。
軽いお布団だと寝返りも打ちやすくなりますし、重たい布団だと寝返り打つ時に体に負担がかかります。
ちょっと忘れたけど重たい布団を使っている場合は寝返り回数が減るっていうエビデンスがあった気がします。
寝返り回数が減ると血行の流れを妨げるのであまり良くないですしね。
あと単純にお布団の重さは毎日のお布団の上げ下げにも大きく関わってきます。
ベッドで寝ている人も増えてきており、毎日お布団の上げ下げをしている人は減っているもののそれでも押し入れに毎日収納する人も一定数います。
そんな人にとってお布団の重さが違うのは負担になります。
充填量で比較するなら羽毛は1.0㎏、ポリエステルは1.6㎏。
ですが製品での総重量を比較するならポリエステルの方はお布団2枚分で生地も2枚分の重量になるので、羽毛布団は1.8㎏に対してポリエステル布団は3.4㎏と2倍近い差ができてしまいます。
この差は正直めちゃくちゃでかいです。
想像してみたら毎日1.5Lのペットボトルが1本体の上に乗っかってるのと、2本乗っかってるのやったらどっちが体は楽ですかって話。
1.5㎏の鉄アレイを1本体に乗せてるのと3㎏の鉄アレイを体に乗せてるのどっちが楽?って置き換えてもいいです。
誰の目で見ても1.5㎏の方が体は楽でしょ。
ホンマ布団は軽い方がいいですよ。
機能性の部分では一長一短
今回比較している羽毛布団だと抗菌防臭、防ダニ・防カビ加工がついています。
一方ポリエステル布団の方は防ダニ加工とウォッシャブル性があるのが特徴です。
機能性の多さで言えば羽毛布団に軍配が上がりますが、ウォッシャブル性とダニアレルゲン対策でいえばポリエステル布団の方に軍配が上がります。
ダニアレルギーに敏感な人はポリエステル布団の方がおすすめですが、実は羽毛布団の生地に施されているダウンプルーフ加工も高密度の生地を使用しているのでポリエステル布団と同じくダニを通しません。
ですので、ここではそこまで差がないんですよね。
ただ、羽毛に含まれる油脂分などがダニの餌になってしまうので、よりダニ対策に敏感な人はポリエステル布団の方がおすすめできます。
結論、予算2万以下ならポリエステルの掛け布団は寒い、冬は羽毛布団が最高
今回は同じ値段の羽毛ふとんとポリエステルのお布団を比較してみましたが、1万円以上のものに絞ってで比較するなら圧倒的に羽毛布団の暖かく寝れるのでおすすめです。
ただ、ダニアレルギーがある人やホコリアレルギーがある人はポリエステルのお布団がおすすめになります。
1万円以下で掛け布団を探しているのであれば、選択肢はほぼポリエステルのお布団になります。
羽毛布団で1万円以下だと羽毛の量の少ないダウンケットが中心になってしまうので、春夏には使えても冬に単独で使うにはかなり厳しいです。
その場合はエアコンなどの空調と併用しないと寒くて寝れません。
もしくは別のお布団を買い足して併用するなど別の出費を覚悟した方がいいです。
ちなみにポリエステルのお布団も冬場は正直寒いですよ。
単独で寝るには寒く、エアコンや毛布など併用しないと厳しいです。
暖かく寝たいというのであれば、羽毛布団一択です。
僕自身、基本的に羽毛布団でしか寝ないのですが、実体験としてもポリエステルのお布団は寒くて夜中に目が覚めることもありますし、圧倒的に羽毛布団をおすすめしています。
夏場もクーラーを併用しつつ羽毛布団で寝ています。
そもそも今の日本の夏はエアコンなしでは寝れませんし、エアコンをつければ夏場でも羽毛布団を使えますしね。
結局これ1枚でオールシーズン間に合わせることができるので、なんだかんだ羽毛布団のコスパが1番いいです。
掛け布団に1万円以上の出費はちょっと・・・って思っている人も正直ここはお金をかけて欲しいものです。
いろんなものの値段が上がって家計が厳しいのもめっちゃわかるんですが、毎日使えて5年~10年使えると思えば決して高い出費じゃないですから。
予算が2万以内の人はぜひ羽毛布団の購入を考えてみてください。
羽毛布団のおすすめは毎年ランキング形式で業界人の僕が厳選して紹介しています。
詳しくは【2024年】羽毛布団のコスパ抜群おすすめ人気ランキング10選【寝具業界の人間が選んでみた】という記事を参考にしてみてください。
僕が実際に今使っている羽毛布団は【レビュー】高級羽毛布団の和雲は本当に値段に見合った価値はあるのか?【軽量で暖かい】という記事で紹介しています。
正直値段は高いですが、品質は間違いのないものです。
いくらでもいいから間違いのない品質のお布団で寝たいという人は参考にしてみてください。
もっと羽毛布団について詳しく知りたいという人は【2024年版】羽毛布団で失敗しない選び方まとめ!【おすすめやお手入れ方法も解説】という記事で羽毛布団に関することをまとめています。
自分で調べて納得した上で選びたいという人はこちらの記事を参考にしてみてください。
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