臭いが気になって夜も眠れない・・・
羽毛布団を洗ったら余計に臭くなっちゃった・・・
この記事ではこんな疑問にお答えします。
睡眠環境・寝具指導士で寝具業界の営業のしーさん(@lipton0507)が解説します。
羽毛布団のクレームのひとつに臭いの問題があります。
ネットのレビューでも低評価のときの内容でニオイが臭いとか動物臭がするって見たことがあるかもしれません。
結論からいってしまうと、羽毛布団は完全に無臭ではありません。
とはいえ、臭いがする原因と対策・解決方法を知っていればほとんど問題ありません。
この記事では羽毛布団が臭う原因と解決策について解説していきます。
- 羽毛布団が臭い6つの原因
- 羽毛布団の臭いの3つの解決策
- 羽毛布団の臭いを取るためにやってはいけないこと
- 羽毛布団の臭いの予防策
羽毛布団が臭いときの6つの原因
羽毛布団の臭いの解決策を知る前にしっかりと原因を理解して未然に防げるものは防いで対策しておきましょう。
気温の高い場所や湿気の多い場所で保管していた場合
この場合のニオイの原因は羽毛に残っている油脂分が原因です。
この油脂分は羽毛布団にとってはかかせないもので、完全に取り除くワケにはいきません。
油脂分を完全に取り除いてしまうと羽毛がパサパサになってしまいふくらみが無くなってしまいます。
ふくらみがない羽毛だと保温性が低くなってしまいます。
以上の理由で最低限の油脂分を残しているのですが、この油脂分が高温多湿の場所では溶けだして獣臭いニオイになってしまいます。
長期間の保管によって臭いがこもっている
新品の羽毛布団を買ったときや春から秋まで押し入れに収納していたときなど長期間保管していたときも臭うことがあります。
密閉されていたり空気の通りが悪い場所に保管していたときに起こりやすい臭いの問題ですが、この場合はそこまで気にしなくても後で紹介する解決策でも十分対応可能ですよ。
鳥の種類で臭いやすい種類がある
羽毛布団に入っている羽毛にはダックとグースがあるのを知っていますか?
このダックとグースではダックを使った羽毛布団の方がニオイがする可能性が高いです。
グースは草食なのに対してダックは雑食なので油脂分がつきやすく多いんですよね。
ですのでダックの方が臭いのする可能性がグースに比べて高くなってしまいます。
ただしグースだから絶対にニオイがしないというワケではありません。
先ほどの油脂分のこと、ダックやグースの違いや羽毛の種類について詳しく知りたい方は羽毛のメリットやデメリットを解説!ダックやグースで何が変わるの?という記事で解説していますのであわせてご覧ください。
そもそも羽毛が洗浄不足の場合
この場合は羽毛から動物臭がかなりします。
基本的に羽毛の洗浄度は透視度500mm以上と基準があり、ほとんどの羽毛原料メーカーはその倍である1000mm以上に自主基準を設けているのであまり無いパターンですが、それでも可能性はゼロではありません。
この場合は家庭で対応できる臭いのレベルを超えている可能性があります。
生地が臭うこともあります
生地が臭うっていうのはあまり解説されていることもないですが、まれに生地が臭うこともあります。
先ほどまでの臭いの原因は羽毛に関する動物臭でしたが、生地が臭う場合は酢酸系の酸っぱい臭いがします。
羽毛の動物臭とはハッキリと違いがわかりますので間違えることはありません。
生地が原因での臭いのトラブルはほとんどありません。
というのも羽毛布団の場合は日本製が多く(ダウンケットは海外製が多いので除外)製造段階で臭いに気づき取り除かれます。
ですので私たちのところまでこのような羽毛布団が届くことは非常に稀だと思って大丈夫ですよ。
ちなみにこの臭いもよほどでなければ対応可能です。
段ボールや不織布バッグなどのニオイ移り
ビニールのような臭いがする場合は段ボールや梱包している資材の臭い、不織布バッグの臭いが移ってしまうことも稀にあります。
この臭い移りですが先ほど挙げた長期間保管されていた場合などに起こる可能性がありますが、可能性としてはかなり低くくほとんど解決できる臭いです。
羽毛布団の臭いの具体的な3つの解決策
原因については今まで解説した通りですが、具体的な解決策について解説します。
ほとんどの場合は、家庭でも十分対応できる範囲内ですので臭う場合は試してみてください。
羽毛布団の中の空気を入れ替える
一番手間もかけずに簡単に家庭でできる方法で長期間の保管で羽毛布団のなかに臭いがこもっていて臭う場合に有効な改善方法です。
やり方も簡単で羽毛布団を折りたたんで上から押さえて中の空気を出してあげてください。
しばらくすると羽毛布団はまたふくらみますので、ふくらんだら同じように中の空気を出してあげてください。
何度か繰り返すと中の空気が入れ替わりますので、こもった臭気が抜けると臭うようなこともなくなっていますよ。
次はこの方法でも臭いが抜けなかった場合の方法を解説します。
陰干しで乾燥させる
湿気の少ない日に陰干しで風を通してあげることで臭いが飛んでいきます。
干す手間はかかりますが、ほとんどの場合はこれで臭いを飛ばすことができます。
羽毛の臭いにも対応できますし、生地の臭いや臭い移りにも対応できるのでぜひ試してみてください。
天日干しの方が効果が高いように思いますが、天日干しだと生地を傷める可能性があるので出来るだけ陰干しにしてください。
このあたりは家庭の干せる環境にもよるので、絶対とは言えませんけどね。
日のあたる場所でしか干せない場合は、部屋干しで風通しのいい場所で干すのもありですよ。
逆にこの方法でも臭いがとれない場合は家庭での対応が難しくなってきます。
クリーニングに出す
いっそのこと家庭で解決するのを諦めてクリーニングに出すというのもひとつの手です。
長年使っている羽毛布団の場合だと汚れやダニがいたりする可能性があるので一度クリーニングに出すのもおすすめです。
とはいえ、お金がかかることなのでしっかりと検討してから考えてみてください。
この記事内で書いてしまうと長くなってしまうので、羽毛布団のクリーニングについては【2020年】羽毛布団の宅配クリーニングのまとめ!【頻度や料金相場までまるごと解説】という記事でまとめて解説していますので参考にどうぞ。
23社分の料金比較もしてあるので読むだけでもおもしろいかもです。
おまけ:新しく買った羽毛布団が臭う場合
新品の羽毛布団を買ったのに臭う場合の対処法ですが、基本的には先ほど紹介してきた羽毛布団の中の空気を入れ替えたり陰干ししたりして風を通してあげることで解決します。
夏場に羽毛布団を買った場合はトラックや車の中が高温になっていて油脂分が解け始めていて臭っている可能性があります。
その場合はクーラーなどが効いている涼しい部屋でしばらく広げておくと改善することも多いですので、暑いときに買った場合は試してみてください。
それでも解決しない場合の解決策は買ったお店に連絡して交換してもらうも方法があります。
羽毛布団の中の空気を入れ替えてもダメで陰干しをして湿気を飛ばしてもダメとなると家庭でその臭いを取るのは難しいです。
初期段階の羽毛の臭いの問題はほとんどのお店が対応してくれますので、一度相談してみて返品するなり交換してもらうのもありですよ。
羽毛布団の臭いを取るためにやってはいけないこと
みなさん、羽毛布団が臭いと思ったときにいろいろ解決策を試してきたことだと思います。
ここでは臭いは取れるかもしれないですが、やらない方がいいことについても少し解説しておきます。
ついやりがちなことですので、やった場合にどうなるのかというのも知っておくといいですよ。
羽毛布団に消臭剤をふる
臭いの問題はよく消臭スプレーなどをふって対応してしまいますが羽毛布団の場合、絶対ダメというワケではありませんが意味がありません。
ほとんどの臭いの原因は羽毛にであることが多いので消臭スプレーをふったところで中の羽毛まで届きません。
生地にしかスプレーが届かないので一時しのぎにしかなりませんし、根本的な解決にはなりません。
根本的な解決にならないのに毎日のように消臭スプレーをかけるのは非常にコスパが悪いですよね。
ですので消臭スプレーで対応するよりも根本的に解決する方がいいですよ。
羽毛布団を家庭で洗濯する
羽毛布団が臭うからといって家庭やコインランドリーで洗うことはおすすめできません。
ダウンケットのように洗えるお布団の場合は別ですが、基本的に羽毛布団は洗えないと思ってください。
羽毛布団を洗うことで起こるデメリットをまとめます。
- 生地が緩んで吹き出しの原因になる
- 羽毛布団が縮む
- しっかり乾燥できないと生乾き臭がする
こんな感じで意外とリスクがあります。
せっかく手間をかけて洗っても布団から羽毛が吹き出してきたり、縮んでしまったりすれば嫌ですよね。
しかも羽毛布団ってなかなか中まで乾いていないことも多くて、中途半端だと生乾き臭のように余計に臭うことにもなります。
じゃぁコインランドリーで洗って乾かせばいいんじゃないの?
こんな風に思われるかもしれませんがリスクは一緒です。
羽毛布団をタンブラー乾燥すればどうなるかは布団をタンブラー乾燥したらダメ?どうなるの?という記事で解説していますので詳しくはそちらをご覧ください。
仮に羽毛布団を買った時に臭いがする場合は絶対に洗う前にお店に相談してくださいね。
もし洗ってから臭いに関する相談をしても返品や交換といった対応もしてもらえなくななる可能性がありますので要注意です。
羽毛布団の臭いの予防策
羽毛布団が臭うときの原因や解決策についてはここまで解説してきた通りですが、そもそも臭いがしなければ問題ないですよね。
ここでは絶対臭いのトラブルを防げるというワケではありませんが、臭いが発生するリスクを下げることのできる方法について解説していきます。
4つに分けて解説していきますのでご覧ください。
羽毛布団を買う時の注意点
そもそも買ったときから羽毛布団が臭うようでは話になりません。
この項目では羽毛布団を買うときに注意してみておくといいポイントについて簡単に解説しておきます。
先に簡単にまとめておきます。
- 生産が日本製か海外製か
- 羽毛にラベルがついているか
- 有名メーカーかどうか
簡単にまとめるとこの3点は注目しておいた方がいいです。
特に羽毛布団を生産している国は見ておいた方がいいですよ。
日本人と外国人だと臭いの感じ方も違うので外国人は気にならない臭いでも日本人は気になるといったことが多々あります。
羽毛布団だと日本製が多いのでそこまで気にしなくても大丈夫かもしれませんがダウンっけっとは安い海外製のもの多いので特に注意してみておく方がいいですね。
羽毛布団についているラベルですが、羽毛の品質を担保するゴールドラベルやCILラベルがついているかは見ておいた方がいいです。
ラベルが必須というワケではありませんが、羽毛の洗浄度などの基準をクリアしていないとラベルをつけることができないのでラベルがついているとある程度の品質は保証されます。
ゴールドラベルってなに?という方は【失敗しない選び方】羽毛の産地の違いは?大事なのはDP(ダウンパワー)【ラベルも解説】という記事内で解説していますので参考にしてみてください。
あとは有名な寝具メーカーで選ぶのもありです。
有名だからといって全く臭いがしないというワケではありませんが、おすすめする理由としては初期不良の対応がかなりいいので安心できます。
変な対応をして会社のブランド力が落ちて変な噂がたつのを嫌うので対応はしっかりしていますし、もちろん商品の品質に関しても品質基準が高くおすすめです。
おすすめの寝具メーカーについてはおすすめメーカーから選ぶ羽毛布団!【迷った時はメーカーで選ぶのもあり】という記事で紹介していますので参考にしてみてください。
次は保管方法についても解説していきます。
保管方法について
羽毛布団の保管ってどうしていますか?
押し入れやクローゼットなどに畳んでそのまま置いていたり、ビニール袋に入れて口を閉めて置いてる・・・なんてことはありませんか?
ビニール袋に入れて保管すると通気性がないので臭いがこもってしまいますよ。
羽毛布団の保管方法でも臭いの発生リスクを抑えることができます。
ここで紹介する保管方法は不織布のケースに入れて保管する方法をおすすめします。
こんな感じの収納袋ですね。
不織布を使っているので通気性も確保されつつ虫食いなどの被害をさ防ぐこともできるのでおすすめです。
こちらの商品だと活性炭が入っているので消臭機能にも期待できるのでさらにおすすめです。
気づいた方もいるかと思いますが、この不織布のケースは羽毛布団を買った時に羽毛布団が入っているケースのことです。
買ったときのケースを置いている人はそのまま使えば大丈夫ですよ。
保管場所について
保管方法とセットにして知っておいて欲しいのがこの保管場所。
保管場所としては湿気の少ない空気の通る場所がおすすめです。
出来る限り床からは離れた高い場所の方がいいですよ。
床に置いていると接地面から湿気が上がってきたりしますので、床に直置きはおすすめできません。
最初から洗える羽毛布団を買っておく
羽毛布団は基本的には洗うことができませんが、最近になってようやく洗える羽毛布団も開発されました。
無条件に何回洗ってもどんな洗い方でも大丈夫というワケではありませんが、シーズンごとに洗っても10年ぐらいは使えるということで販売されています。
洗える羽毛布団であれば羽毛の臭いや汗の臭いがしても洗えば大丈夫なので、臭いの問題も解決しやすくなります。
詳しくは【やっと出た】コインランドリーで洗える羽毛布団のおすすめ2選!【クリーニングいらず】という記事で解説しているので参考にしてみてください。
羽毛布団は臭い?原因と具体的な解決策のまとめ
羽毛布団って臭いってイメージがあったりしますが、ほとんどが家庭で解決できるものです。
ただし新品で買ったときに羽毛布団が臭う場合は家庭で対処しても改善されなければお店に対処してもらうようにしましょう。
とはいえ、羽毛布団って完全に無臭というワケではありません。
動物の羽を使っているのでどうしても多少の臭いが残ってしまうんですよね。
ただよほど敏感な人でない限り普通は気になることはありません。
羽毛布団は軽くてあたたかいものですので掛け布団の中では一番おすすめです。
万が一、臭う場合でも対処を知っていれば対応できるのでぜひ使ってみてくださいね。
羽毛布団についてもっと知りたいと思われた方は【2020年版】羽毛布団で失敗しない選び方まとめ!【おすすめやお手入れ方法も解説】という記事で羽毛布団に関する記事をまとめていますので参考にしてみてください。
それでもどうしても我慢できない、新しいものに買い替えたいと思うのであれば【2020年】羽毛布団のコスパ抜群おすすめ人気ランキング10選【寝具業界の人間が選んでみた】という記事を参考にしてみてください。
動物の毛なのでどうしても無臭ということは言い切れませんが、しっかりとした羽毛布団であれば臭いは気になるものではありません。
もしまた次も羽毛布団を買ってみようかなと思うのであれば参考になりますよ。
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